ベイサイド向き8mクルーザー(続)

雑誌Sailの3月号をめくっていたら、Alessandro di BenedettoがCCA(Cruising Club of America)のRod Stephens Seamanship Trophyを受賞したという記事があった。彼は2006年にキャビンのない20ftカタマランで、横浜ベイサイドマリーナからサンフランシスコまで、太平洋を横断したので日本でも知られている。今回は2010年7月に、21ftのMini Transat 6.5の改造艇で無寄港世界一周を遂げ、しかもケープホーンでディスマストした後は、ジュリーリグでフランスまで航海を続けたことに対する受賞だ。

Sailの写真で見るClass Miniの改造艇、Findomestic Bancaは、大きく沈みこんだ姿勢と、コックピット部にかぶさるように取り付けられたキャビンが目を引く。キャビン空間の確保と、転覆時の浮力・復原力の改善が、この後部キャビンとなったのだろう。世界一周シングルハンド専用とはいえ、コックピットにおわんかお皿をかぶせたようなキャビンは、見たことがないデザインだ。ちょっと見では波をかぶると水をすくいそうに見えるが、そういう状況になるとすぐにハッチは閉めて両サイドにある半球型の窓(?)から覗きながらセーリングするのだろう。普通なら、コックピットを狭くすると同時に、キャビンを大きくする(伸ばし、広げ、高くする)のではないか。

Findomestic Bancaはエンジンはないし、コックピットなしの構造も含めて、ベイサイド用8m未満艇の候補にはならない。しかし、気になるのはClass Mini 6.5のような幅広でフラットなハルだ。270日近い航海をするには、食料と飲料(海水から作りもするだろうが)だけでも相当な重量になるだろう。Class Miniの想定よりも大幅に重い排水量に対して、フラットな船型は不利にみえる。だが、鍵となる南の海では、かなり食料もも減り軽くなるので、やはりスターンまで広くフラットで、追手で速い船がいいのだろう。このようなタイプの船型は、ヒールすると進水面積が狭まり抵抗が減るので速いというが、ツインラダーが必要だしどうも好みではない。プレーニングを諦めれば、細めの抵抗の少ないハルに深いキールと十分なバラストの方が素直なアプローチと思う。

とはいえ、Class Miniのモディファイ版は1~3人乗りに面白いと思っている。セール面積を減らし、スポーツボートとしてデイセーリングやレースをしたり、中距離クルージングに使う。プレーニング能力は落としてかまわないが、トリッキーでない上りでの帆走能力は欲しい。すぐにリーフしないでもいい腰の強さと、ヒールしても楽に操船できるというイメージだ。

ここまで、書いてから->Galleryを見た。出港時にスターンが大きく沈んでいるのは予想通りだったが、チャイン付きのハルが思ったよりもフラットではない。以外だったのでほかのClass Mini艇はどうかと、->Mini community->photo galleryをめくってみた。やはりもっとフラットなハルが多いようだ。とにかくアンバランスなほど大きなセールに圧倒される。Max B=3m、Max Draft=2mは、スポーツボートを想定すると、ちょっと抑える必要があるだろう。ちなみにベイサイドの8m未満のバースでは、Bmaxは2.8mに制限される。新しいデザインの小形クルーザーが、最近見られない。低予算で作れ、少人数で楽しめる国産小型クルーザーが生まれるといいが。

いずれにしても興味はつきない。

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